2021.08.07
ブーケ コンテンポラリー
こんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。
いよいよ8月がスタート。本格的な夏到来ですね。
7月でも暑かったのだけれど、やっぱり8月の暑さはそれ以上。
重たい空気の中、日中マスクをして外出すると身の危険を感じるほどなのに、
そんな中咲いている夏の花にはたくましさを感じるとともに、
その元気をちょっと分けてー!!と、すがりたくなってしまいます。
jardin nostalgiqueは毎年、夏は長期のお休みをいただいており、
本年も違わず、9月7日までのお休みを頂戴しております。
本来であれば、海外へ行っていろいろなインプットを計画する期間なのですが、
昨年に引き続き今年も海外へ行けない状況故、
お休み前に気になる本をたくさん買い込んでみました。
ぼんやり眺められそうな海外の素敵な風景のもの、
最近興味が出た鉱石についての本、やはり外せない絵画の本などなど。
旅行に行くより安い!と思いあれも・これもと選んだ結果、
一気に何冊もの本が集まってきました。
買ったことで満足してしまいがちな自分ですが、
今回はこの本たちを有意義に過ごすための拠り所にして、
本の中を旅してお休みを満喫したいと思っております。
さて、そんな自分の意気込みはさておき、
今回のコラムでは、休みに入る前、上半期最後に開催したレッスンをご紹介します。
ブーケのテーマは、「コンテンポラリー」!
最近はSNSなどを通して
ありとあらゆる国、いろいろな世代のフローリストのブーケを見る事ができますが、
形も色合わせも自由なブーケが増えてきて、
ブーケロンに見られた調和やまとまり、贅沢な密度といった表現から、
最終的なブーケの形にとらわれず、個々の花の個性や全体の空気感を絶妙に表現したものを目にすることが増えました。
ファッションやアートの世界に流行があって新しいものが生み出されるように、
ブーケにも流行があって、目新しいものが生まれるのはとても面白くて刺激的!
自分自身も、新しい引き出しを作ることには常に貪欲でありたいと思うのもあり、何度か束ねてみる中で、
花を束ねていく上での考え方やブーケとしての構造の違いがとても興味深くて、ぜひ、レッスンでみんなで束ねたい!と思ったのでした。
新しさや今らしさを一言でみんなにキャッチしてもらえるネーミングを考えた時に舞い降りたのが、「コンテンポラリー」。
ダンスやアートなどの分野でなんとなく耳にしたこともありますが、
現代的だったり、今っぽかったりといった意味合いでしょうか。
漠然としたニュアンスですが反対語をあげると意外とピンとくる点があって、
伝統的とか、普遍的といったことの反対で
決まりにとらわれず、革新的であり、
目で見たものよりも、自分自身の気持ちや直感を表現するという解釈に至りました。
花選びにおいても束ね方においても、
普段は選ばない花、やらない配色、やらない形にいろいろトライして、
慣習からはみ出て固定概念を壊すようにブーケを構成することも、
「コンテンポラリー」という名の基に許された気持ちで、自信をもってできます。
お店に来た皆様は、jardin nostalgiqueのレッスンで
jardin(お庭)感もなく、nostalgique(懐かしい)感もない
原色のアンスリュームや蘭、ピンクッションなどの花材を使うとは思わなかったと思いますが、
レッスンのテーマを一通り説明し終えて、目標を共有した後は、
それぞれがアーティストとなって、
素材である花をいかに自分の思いを込めて表現するかという点にこだわって取り組んでくれました。
色合わせで何かをイメージするもよし、花の形から何かを連想するもよし、
その花が好き、苦手という気持ちからでもよし、
何らかの気持ちに基づいて、そのポイントが活きるように束ねる際に、
形や規則を外して考える事で意外と束ねやすくなることがわかってもらえたように思います。
こうして出来上がったブーケは、どのブーケも作者の意志がはっきり含まれた、
コンテンポラリーアートのように主張のあるブーケになったように思います。
解釈は見る人にお任せ!という点も、それに通ずる点かなーと思っています。
自分自身も、束ねた時のコンディションやほんの一瞬の気持ち一つで
毎回出来上がる作品が変わって、
その都度、これもいいなーと、新しい発見がたくさんあったレッスンになりました。
このレッスン、同じブーケをイメージしながらも
最初に付けたタイトルは
「ブーケ NEW GENERATION」だったのですが、
スタッフみんなからそれはちょっと。。。という指摘を受けコンテンポラリーという言葉に出会うことができました。
同じブーケでも、まとわせる雰囲気やどのくらい魅力を伝えられるかを変えるのが
ネーミングでもあると思っているので、
NEW GENERATIONは確かにあまりにはっちゃけていたなーと思うと、
全力で止めてくれたことに心から感謝なのでした。