2022.10.19
空気感のあるかもかもブーケ
こんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。
あっという間に10月も今日が最終日。
今日はハロウィンですね!
お店では、そんな今日のハロウィンの雰囲気も残しつつ、
昨日、早くもクリスマスの雑貨を陳列しました。
秋以降はハロウィン、クリスマス、お正月と、
イベントが立て続け過ぎて、雑貨コーナーも渋滞中。
今日は1日だけ、カボチャの横にサンタさん。
次はきっと、サンタさんの横にウサギさんがいるかもしれません。
前回のコラムでご案内させていただいた
10周年イベント「おしゃべりな写真展~はなさく思い出の庭~」
も、400名様以上のお客様が足を運んでくださり、
タイトルの通り、おしゃべりにはなさく写真展となりました。
足を運んでくださった皆様、どうもありがとうございます。
10月中はお店でも10周年を記念したレッスンを開催しておりました。
毎年、この時期は周年のレッスンを開催しますが、
節目の今年は、自分の大好きなシャンペトルブーケをご提案させていただきました。
10周年にちなんで10カラー!という要素も盛り込んで、
秋の草原で無作為に摘み集めた色とりどりのお花をたっぷり集めたような、
素朴ながらも味わい深いブーケに出来たらと思っていました。
シャンペトルブーケの良さは、その季節の風景を思い出すような佇まいですが、
秋は背丈の高い伸びやかな草花達、さらにその上で美しく紅葉した木々が織り成す壮大な風景が思い浮かび、
ブーケとしても、とにかくボリューム良く束ねていただくことを課題にしてみました。
大きく束ねることで生まれる空間に風が吹き抜けるように。
また、秋以降のレッスンで自分がとても大切にしてるのは、
軽やかな秋の気分や秋の草花に似合うような、
空気の動きを感じさせるようなブーケであること。
今までに言った風が吹く、というのと同じような、違うような。
それは、夏休みにいろいろなアートに触れることがあって気付いたことなのですが、
写真のように描かれた肖像画からは、しんと、静かで張り詰めたような空気を感じますが、
印象派の絵画からは、その風景の中で風が吹いて、水面がキラキラ輝いているような印象を受け、時の流れすらもイメージできます。
1枚の平面の上を彩った絵画であることは変わらず、
作品としてはもちろん動いていないものなのに、
その中から空気の動きを感じることができることがとても興味深くて、
自分なりに、なんでかなーと思って考えたら、
絵画を描く際のスピード感や直感が絵画の中の筆跡や、色選びに反映されているからかなと思ったのです。
すべて自分の推測ですが、印象派の画家が筆を運ぶ際に、
「次は斜め45度に一筆・・・」なんて言って計算していないと思うし、
「このブルーの隣に1mmの黄色、その隣に2mmの赤」なんて緻密に実物と比べた配色にしていないと思う。
故につまり、出来上がったものは直感の積み重ねなのかなーって思います。
考えすぎると描きたい光の中で風景を描けないと思うと、
やはりスピーディーな作成だったのではないかと推測すると、
なおさらそう思うに至りました。
そんな、絵画から受けた印象をブーケに置き換えた時に、
やはりブーケにも空気の動きを感じる作品とそうでない作品があって、
絵画に基づく推測をブーケに当てはめた結果、
ブーケを作る際のスピード感や直感が、作品に空気感を運んでくれるように思うに至りました。
そう思ってから最近は、お花の配置、向きの1つ1つに正解を求めるのではなくて、
直感的なここいい「かも!」くらいの「かも!」を積み重ねてどんどん束ねていくことにはまっています。
直感を得るためには全体を良くみることが大切だと思うのですが、
1つ1つの正解に集中しすぎない結果、全体も見えやすくなります。
「かも!」は「かも!」で大正解かどうか未定なので、
最終的に違った「かも!」と思う時もあるのですが、
その場合は画家が全体を見て気に入らない点を上から絵の具を塗り重ねて修正するように、
ブーケ全体を見ながら、ちょちょっと、気になるところを修正するようにします。
そのくらいの気分で束ねることで、緻密さとはまた違う、
ハプニングも入った興味深いブーケになるような気がしています。
空気感の在る、無し、どちらが良い悪いではなく、
気分に合わせた表現がしたいなーと思った時に、
作成前に持つ意気込みを違えてみるのも面白いのかなーと思う今日この頃なのでした。
逆に、冬はどこか静かなブーケを束ねたいなーと思ったら、
深い観察と熟考に熟考を重ねた、隙の無い作品を目指しても良いのかなーと思います。
そんなこんな、いろいろ、
夏休みに気付いて、秋に実践してみていることなのでした!
皆様、これからますます寒くなると思いますが、
どうぞお体にお気をつけてお過ごしくださいね!