2023.07.30
ヒマワリのブーケと冷やし水
こんにちは!jardin nostalgiqueの青江ですー!
今年の夏はなかなか手強く、
日中の気温が高すぎて静かな日が続いております。
自分自身もお休みだったらあえてこの暑さの中、外に出ないかもしれないと思うと、
そんな中、レッスンやお買い物にお越し下さる皆様に感謝の気持ちでいっぱいになります。
静かな時間には久しぶりにお店の雑貨を並び替えてみたり、
ラッピングをいろいろ考察してみたりと、
普段気になりつつも出来なかったことに取り組んでいます。
花屋は季節商売だなと改めて思いますが、
緩急があるからこその今の時間も大切にしなくてはと思います。
そんな暑さの中ではありますが、
今年も夏こそ元気いっぱいなひまわりをテーマにブーケのレッスンをご提案しました。
昨年はゴーギャンの絵画をテーマとして
アート的なブーケをご提案しましたが、
その反動からか、今年はぐっとナチュラルなブーケを作りたく、
頭の中でヒマワリ畑を想像して、その中で遊ぶ気持ちで花材を選んでみました。
ただ、日当たりさんさん、キラキラなひまわり畑ではなく、
少し日陰もあってどこかほっとするような、
ノスタルジックさを感じる風景を都合よく思い描いて、
サブタイトルを~le soleil et l'ombre~としてレッスンテーマにしてみました。
フランス語でsoleil(ソレイユ)は太陽、日光、
ombre(オンブル)は日陰を意味します。
日向と日陰。日中と夕方。
1つのブーケの中に夏の明るい日差しとどこかノスタルジックで落ち着く日陰、夕暮れの印象の両方を作るという創作ブーケです。
光の強弱や光の色で、ものも風景も見え方が変わることは光と色の関係の面白さを感じますし、
さらにはそれにより印象までも変わる点で、光と色の関係が人の心やものの捉え方にも影響を及ぼす、とても複雑なものであるように思えてなりません。
そんな面白味をブーケに閉じ込めるつもりで。
選んだのは同じお花でも様々に色の明暗を持つ仲間たち。
まずヒマワリは明るい黄色のレモネードやモネのヒマワリ、濃い黄色のサンリッチマンゴーやサンリッチフレッシュオレンジなどに、深いブラウンのプロカットレッドなど。
開催日によって品種は違いましたが、日差しを感じる明るい品種、陰の中にあるようなシックな品種を交えてみました。
時にはホワイトと言われるより明るい品種であるホワイトムーンやホワイトナイトも交えて。
フロックス、レースフラワーなどもふと気づくと明暗を表現するような品種が様々揃いました。
※フロックス(白~グリーンレディ~ミスティグリーン~ブラインドライオン)
レースフラワー(ホワイトレースフラワーやキャロットフラワー~ダウカス ボルドー)
束ねる際は、前回の夏のシャンペトルブーケと同様に、
お花の体力を奪わないようなスピード感を心掛けて、
丁寧にというよりダイナミックに束ねていただけるようにご提案しました。
その際、少しでも思考を必要とする目標が少ない方が良いかな、ということで、
今回は形は丸くなくてもOKでフリーダム!
凸凹のバランスもいかようでもOK!として、
具体的な息抜きポイントを設けて、心軽く取り掛かっていただけるようにしてみました。
そうすると、あまりにも自由でどうしましょうという迷いが時に飛び交う中、
配置において日向と日陰を作るというポイントがお花運びの道案内をしてくれました。
結果、参加いただいた皆様のほとんどが
過去最速のスピードで束あげることができたのでした。
レッスンにおいてスピードはあまり重視しないことが多いのですが、
お花も束ねる人も元気なうちに仕上げること、
暑い中でフレッシュな草花を束ねる上では心掛けてあげると良いかなと思います。
出来上がったブーケは、気分により眺める風景を選べるような、
向きにより角度により、違う光と色の印象を持つことができるものになったように思います。
最後に、夏の暑さでも強い!というヒマワリですが、やはり今年の暑さの中では茎もとろけてしまいがち。
涼しい場所に飾れることが一番なのですが、それ以外、努力できそうなポイントをいろいろ試して効果的だなーと思ったのは、お水をまめに替えることもありますが、そのお水を冷やしてあげること。
うっかりすると、お店のお水もお湯のように温かい時があって、そんな時は急いで氷で冷やしてから活けてあげるようにしています。ぬるさを感じず、少し冷たいな、というくらい。
ジャルダンノスタルジックでは、ここ最近
利用する前日にお水を汲み置きしておいて、空調により自然に冷やしてから使うことを意識しています。
お店のスタッフの間では、「冷やし水」と呼んでいます。
水替え、水揚げとなるとかなりのお水を使うので、貴重な貴重な冷やし水。
ぜひ、暑い夏はお花ちゃんたちを
「お水、冷えてます。」
というご案内のもとでお迎えしてあげてくださいね。