2023.08.14
真夏の夜の夢とストーリー・ハラスメント!
こんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。
8月も残すところあと少しですね!
暑かった夏が終わることには、あまり未練が無く
花屋としても、自分の好みとしてもうれしい気持ちなのであります。
そんな気持ちを知ってか知らずか、
今年の残暑はなかなか厳しいですね。
8月29日の今日も真夏の暑さです。
お店は今月15日から夏期休業に入っていて、
その期間で普段ではゆっくり読めない本を読んだり、
美術館に行ったり、食べたいものを食べたり、休息したりと、
心、体ともにインプットを意識して生活しています。
心の栄養のアウトプットは秋の営業開始からとして、
体の栄養のアウトプットは、休業中もこまめにしていかなくてはなりませんね!
そんな中ですが、
今日のコラムは、この夏最後のレッスンとなったブーケをご紹介します。
テーマは、「真夏の夜の夢 ~ボタニカルファンタジー~」。
レッスンのスケジュールを立てる時は、過去のその期間を振り返りつつ、
気分的にも、出荷状況的にも、お花の品質保持的にもその時期に合うものをと意識しているのですが、
8月のレッスンについては、とにかく暑くても丈夫!というポイントで考えています。
ここ数年いつも夏の主力に選ばれるのは南半球のネイティブフラワーや熱帯のトロピカルフラワーです。
過去のレッスンでは、サファリっぽくアースカラーでご提案したり、
リゾートっぽくブルーやオレンジでご提案したりしましたが、
今年は何かまた違うテーマで、面白くご提案できないかなーと考えて行きついたのが、
不思議なお花の形を活かして、ファンタジーな世界を表現するということでした。
ファンタジーを表現するときには、ファンタジーってどうするの!?と考えなくても、
お話の中に身を置くことで結構簡単にファンタジーの住人になれるので、
今回はシェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」をチョイスして、
妖精や魔女が住む森の中に迷い込んだ気持ちで花を選んで、自由に束ねてもらいました。
(そういえば春は「ハムレット」をモチーフにオフィーリアの花束を束ねました。
2023年は、青江の中でシェイクスピアブーム到来です。)
そうして集まったお花は、
いろいろありつつも最終的に結ばれる、お話の中のいくつかのカップルを想像するように、
クルクマも2本、アンスリュームも2本、プロテアも2本、とみんな2本ずつ。
さらに森に住む妖精たちのように軽やかなお花、不思議なコケやキノコのようなお花、
それらを飲み込むような深い夜の森のような濃いグリーンの木々。
真夏の夜の夢というお話の中で、ネイティブとトロピカルが違和感なく北半球のグリーン、軽やかな草花と融合するのでした。
舞台と役者が揃ったら、そこで自由にファンタジーストーリーを作りながら束ねます。
参加した皆様には、ファンタジーへの入り口として、
シェイクスピアの真夏の夜の夢のあらすじを説明した上で作成開始!
綺麗につくること以上に、お話を楽しむように。
時にカップルを結びつけることにがんばってみたり、わざと障壁を作ってみたり。。。
同じお花でも、高い位置で使うと森の木のように見えたり、低く入れると森の苔のように見えたり、
お花の見え方が高さで変わることにもわくわくと想像力を刺激されます。
くっつけたいのにくっつかない困ったカップルもいれば、
勝手にくっついてしまうカップルもいたり。
自分が皆様のブーケをチェックする場面でも、
普段では強烈にぶつかっているお花は空間を意識して少し距離を作りますが、
「もしかして、この2人はカップル!!?」と思ったらやっぱりそうだったりして、
うっかり引き離さなくてよかった!とほっとした場面も。
調子に乗った自分は参加した皆様に
ストーリーの説明を強要する「ストーリーハラスメント(ストハラ)」をしてしまったかもしれないのですが、
困りながらもそこでいろいろ説明してくれる皆様に感謝!
最後まで困らせてしまった皆様、ごめんなさい!
でもきっと、作成中じゃなくてもその後ブーケを眺めていたら、
ふとした時に、
ブーケの森の中で繰り広げられるお花達のストーリーが浮かんだのではないでしょうか!?
あ、またストハラ!!?
もうこの辺でやめておこうかなーと思います!
秋のレッスンも
いろいろなブーケを皆様と一緒に楽しみたいです。
どうぞ引き続き、よろしくお願いしますー!